個人的偏見の世界史

個人的に世界の歴史をまとめる試みです。

宇宙の誕生から太陽系の形成まで

・21世紀より約138億年前 物質そのものが存在しない、「無」の状態。そこに極微小の大きさで宇宙は誕生した(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』)。

・宇宙は膨張し、宇宙全体に含まれるenergy量は増大した。それによって宇宙は急速に、さらに膨張した。これを宇宙inflationと呼ぶ(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』)。

・宇宙inflationによって、大量の素粒子が誕生した(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』)。

素粒子は物質を構成する最小の単位である(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』)。

・宇宙が誕生して10の-44乗秒から10の-43乗秒の間 斥力を持つdark energyを原動力として、高密度の放射energyが集まり、宇宙があらゆる方向に膨張を始めるBig Bangが起こった。これにより、宇宙は光、熱、素粒子に溢れた(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』)。

※1Big Bang初期の宇宙にあるenergyは、電磁波のγ線として存在していた(山岸明彦『元素で読み解く生命史』)。

※放射のenergy密度は温度によって決定する。温度が2倍になれば密度は4乗となるため、初期の宇宙は高温であった(野村泰紀『なぜ宇宙は存在するのか』)。

※Big Bangは物質を生むと同時に、物質を打ち消し合う「反物質」を生み出した。反物質は物質を打ち消すため、物質は次々に消えていった。(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』)。

・Big Bangから1秒後 物質の数が反物質の数を上回ったことで、物質の消滅が停止した(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』)。

・宇宙が誕生してから10万分の1秒後、宇宙の温度は1兆℃まで下がった(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』)。

※温度が下がった宇宙では、quarkが合体を始め、反陽子が作られなくなった。その後、+の電荷を持つ陽子と、名前の通り中性の中性子がほぼ同時に誕生した(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』嶺重慎 編著『地球と生命の歴史』)。

※重力よりも強い、電磁力の作る世界は、+同士の電荷と、-同士の電荷は反発し、プラスとマイナスの電荷は引き付け合う性質を持つ。この引き付け、反発させる力のことをCoulomb力という(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』)。

※電子と陽子が別々に運動するプラズマの状態では、電子が光を乱反射するために光が遮られて宇宙空間を光で見通せなかった(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』山岸明彦『元素で読み解く生命史』)。

・宇宙が誕生して約0.1秒後 宇宙の温度は約300億度であった(野村泰紀『宇宙はなぜ存在するのか』)。

・宇宙が誕生して約1秒後 宇宙は、その温度が約100億kほどであり、その時点で陽子、中性子の他に光子、電子、陽電子、neutrino、反neutrinoがあった(山岸明彦『元素で読み解く生命史』)。

・宇宙の誕生から約3分後 宇宙の温度は10億度まで下がり、陽子と中性子が合体してhelium(He)の原子核が形成された。また、陽子1つと中性子1つからなる重水素原子核も同時に形成された。また、lithium(Li)の原子核も出来たが、短時間で壊れてしまうために量は少なかった(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』嶺重慎 編著『地球と生命の歴史』)。

※+同士、-同士の電荷クーロン力により反発するものであるが、電磁力の100倍以上の大きな力「核力(強い力)」によって原子核は結合している(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』嶺重慎 編著『地球と生命の歴史』)。

・宇宙の誕生から38万年が過ぎた後 宇宙の温度は3000度以下となり、原子核が電子と結合して原子となった。こうしてhydrogenium原子(H)とhelium原子(He)が誕生した。また、lithium原子(Li)も誕生した(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』)。

※それまでの宇宙にあった原子核と電子は、高温による激しい運動により束縛されていなかった。しかし、宇宙の温度が3000度以下になったことで、引力に逆らうことができなくなり、電子は原子核に捕促されたのである(野村泰紀『なぜ宇宙は存在するのか』)。

※光を乱反射する電子が数を減らしたことで、光は宇宙空間を通過できるようになった。このことを「宇宙の晴れ上がり」と呼ぶ(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』)。

※物質は質量を持っているため、物質同士の間には「万有引力の法則」がはたらき互いに引き合う。この法則は粒子同士の融合を引き起こした(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』)。

・宇宙の誕生から5億年から10億年後 hydrogeniumとheliumが集まり雲的な「原始銀河」を形成した(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』)。

中新2398山岸1宇宙空間の中水素濃度の高い部分では、さらにhydrogeniumが集まりはじめ、圧力が高まり温度が上昇した。そして、原始銀河の中心にてファーストスターと呼ばれる最初の恒星が誕生した。大きさは太陽の100倍近くあり、温度は10万℃に達したと考えられる。

中新2398山岸1ファーストスターの内部では、水素原子核同士が融合してヘリウム原子核を生じさせる「核融合反応」が起こり、そのエネルギーによって恒星は輝いた。そして核融合反応は様々な元素を生み出した。

※恒星の水素原子核核融合を終えると、次はヘリウム原子核核融合がはじまり、炭素原子核が合成される。こうして核融合反応は進むが、鉄の合成まで至るところで核融合反応は活動を停止し恒星は一生を終える(山岸明彦『元素で読み解く生命史』)。

※太陽より質量が8倍以上の星は、最期に超新星爆発を起こし、星の元素を宇宙に放出する。鉄(Fe)より重い元素はこの際に作られる(山岸明彦『元素で読み解く生命史』)。

※ファーストスター内部で生み出された炭素(C)、珪素(Si)、鉄(Fe)などは、星が大爆発を繰り返すとともに宇宙空間に撒き散らされた。撒き散らされた物質は、また別の星の構成物質にもなった(鎌田浩毅『地球の歴史(上)』)。

中新2398宇宙の領域の濃度の差(ゆらぎ)は重力の差を生み出し、宇宙空間に物質の集まる場所とそう出ない場所が分かれた。「ゆらぎ」によって生まれた、物質が集まらない空洞は、「ボイド構造」と呼ばれる。

※宇宙の濃度の平均値よりゆらぎが大きい(正のゆらぎ)の部分では、密度が高くなった。すると同じ体積の中に入る質量が大きくなるため、重量が強くなった。重力が強くなるとさらに物質を引き寄せて密度が高くなるということを繰り返し、正のゆらぎは大きくなる。この性質を「重力不安定性」と呼ぶ(嶺重慎 編著『地球と生命の歴史』)。

ジ新477正のゆらぎが成長するにつれ、その部分に関して宇宙の膨張にブレーキが掛かり収縮に転じた。収縮して物質が密集する部分は、後に銀河や銀河団になったと考えられる。

中新2398何十億もの星々が生まれる中、水素とヘリウムの雲は渦を巻きはじめ、その内の1つは天の川銀河となった。

中新2398ガスや微粒子はの各々の重力で引き合い凝結、星の雲たる「星雲」となり、天の川銀河を構成した。

中新2398天の川銀河の中で星雲は凝縮し、原始太陽となった。やがて原始太陽の中心に物質が集まり、原始太陽系星雲が生まれる。原始太陽系の星間物質は、次第に太陽に向かって移動をはじめた(質量降着)。こうして太陽は巨大化した。

中新2398質量降着が終わると、次に固体微粒子が円盤の中心地へと向かって移動した(沈殿)。

中新2398固体微粒子が形成する層は、物質が分離をはじめた。太陽に近い方には珪酸塩(シリケイト)、酸化物、金属などが集まり、水蒸気は太陽の熱で飛ばされた。太陽に遠い方では熱で飛ばされなかった水蒸気が氷となって集まった。こうして、太陽に近いところでは岩石主体の層が、太陽から2.7AU(天文単位)以上離れた所では氷の層が形成された。

中新2398イ新122固体微粒子層の分子雲では、1μほどの微粒子およびガスが万有引力によって引き合い、円運動を開始し、珪酸の粒が結合して大きくなり、小石から岩石ほどの大きさになり、その後直径1~10kmほどの微惑星を形成した。

中新2398微惑星同士もまた己の重力によって互いに引き合い、衝突、合体を繰り返し、原子惑星を成立させた。

イ新122ジー1形成される際に衝突エネルギーが大きかった惑星は高温となり、惑星全体は溶解する。そして、ニッケルや鉄などの比重の重い金属は中心部へと移動してコアとなり、比重の軽い珪酸塩は外側に浮き上がってマントルとなる。こうして岩石惑星が誕生する。アルミニウムや珪素などの密度の低い物質は酸素と結びついて、軽い岩となった。

イ新122太陽系には珪酸塩と金属からなる岩石惑星である水星、金星、地球が誕生する。21世紀より46億年前の話である。

イ新122中新2398太陽から離れた、水蒸気が蒸発しない場所では氷が集積を繰り返して密度を増し、質量の大きな惑星が誕生した。質量が大きい惑星は重力も大きく周囲のガスを大量に集めるため、そうしてガスを集めた惑星は、岩石のコアと水素分子からなるガス惑星となる。太陽系では木星土星である。

イ新122中新2398太陽からさらに離れた位置では、水素やヘリウムを主成分とする大気に覆われた、氷惑星の天王星海王星が生まれた。木星土星が形成される過程で、付近の星間ガスはほとんど使い果たされたため、その2つの惑星に比べるとガスの割合が少なく、水やメタンの氷が存在する。