個人的偏見の世界史

個人的に世界の歴史をまとめる試みです。

真核生物誕生まで

イ新122ジー1 21世紀より約37億年前、シアノバクテリアという原核生物が誕生した。

ジー1生命にとって有害な紫外線は、直接地球の表面に降り注いでいた。シアノバクテリアは紫外線から身を守るために、有害な光線を吸収する色素を発達させた。

ジー1紫外線を吸収したシアノバクテリアは、そのエネルギーを転用し、炭素(C)、水素(H)などから糖やデンプンを作り出すことが可能になった。これが、光合成である。

ジー1何兆ものシアノバクテリアは大群となって「礁」を形成した。

ジー1礁は粘液と堆積物を層として塚状になり、ストロマトライトとなった。

ジー1地殻変動の活発化により、炭素を含む物の死骸が海底に埋没した。こうして海底に酸素が届かなくなると、余った遊離酸素が、活発に反応して酸化を促進させることになる。

イ新122シアノバクテリア光合成によって発生した酸素により、海水中の還元型の鉄は酸化した。

イ新122還元型の鉄の濃度が低下すると、酸素は大気中に放出され、大気中のメタンも酸化させた。

イ新122温室効果ガスであるメタンは、酸化したことで数を減らした。

ジー1酸化した鉄イオンは石灰岩となり、メタンや二酸化炭素を吸収した。これによっても温室効果ガスは減少した。

21世紀より23億年前、地球は全球凍結した。

イ新122温室効果ガスの減少が地球温度の低下を引き起こし、21世紀より23億年前の地球の全球凍結を引き起こした可能性がある。

イ新122全球凍結した地球においても、火山活動と熱水活動により二酸化炭素やメタンガスの放出は続いていた。また、凍結の影響によりシアノバクテリア光合成が停止していたので、二酸化炭素光合成によって還元もされず、メタンガスが分解されることもなかった。

イ新122メタンガスと二酸化炭素の大気中濃度が上昇したことで、地球の表面温度が上昇し、赤道から氷が溶け始めた。

イ新122一度氷が溶けだすと、太陽光の反射が減少し、地球の表面温度がさらに上昇した。

イ新122地球の表面温度が上昇すると、氷に覆われていた地殻が露出し、それが雨によって侵食されて塩類が海に溶けだした。それを利用したシアノバクテリアは繁殖した。

イ新122 21世紀より約22億年前、地殻を構成する岩石の中で、マンガン(Mn)が通常の含有量を超えて濃集し、水に溶けにくい酸化型のマンガン鉱床を形成した。酸素濃度が上昇した故のものである。

イ新122シアノバクテリアの繁殖により、21世紀より21億年前までに酸素濃度は約0.2%まで上昇した(大酸化イベント)。

ジー1古細菌と呼ばれるバクテリア細胞は、遺伝子や必要な栄養を交換しやすくするために、他の細胞と繋がり、1つの膜の中で共同で生活することを企てはじめた。

イ新122アルファプロテオバクテリアという細菌は、アスガルド古細菌の仲間と共生するようになった。この原核生物が分岐するときも、アルファプロテオバクテリアは共に分裂して細胞内で生育した(細胞内共生)。

ジー1 21世紀より約10億5000万年から8億5000万年前、バクテリアの一部は、共生する古細菌に遺伝資源を預けることになった。そうした古細菌バクテリアの細胞の核となった。真核生物の誕生である。

イ新122アルファプロテオバクテリアと共生していたアスガルド古細菌の仲間の子孫は、酸素濃度急上昇の後ごろに、細胞核を有する真核生物となった。アルファプロテオバクテリアミトコンドリアとなり、細胞の外で生育する能力を失った。

ジー1原核生物は分裂して自身と同じ遺伝子を持つコピーを生み出す。それに対して、真核生物は2つの個体の遺伝子を組み合わせ、全く新しい遺伝子を持った個体を産む。

ジー1真核生物の生殖方法は遺伝的変異が多いため、多くの真核生物が産まれ、やがて複数の真核生物の細胞が集合するようになる。多細胞生物の誕生である。

イ新122シアノバクテリアの祖先と共生した細胞は、植物へと進化する。共生したシアノバクテリア葉緑体となった。こちらもミトコンドリアと同様に単独で生育する能力は失われている。

イ新122細胞内共生をするミトコンドリアは、酸素呼吸を行うことで、細胞にエネルギーを送るため、それが真核生物の細胞を、原核生物と比較して10倍ほども大きくした理由であるとも推測される。原初の真核生物は、原生生物と呼ばれる。

イ新122シアノバクテリアが共生した生物の一部は藻類へと進化し、単細胞紅藻と単細胞緑藻に分岐した。単細胞緑藻と単細胞紅藻の一部には他の原生生物と細胞内共生するものがいた(二次共生)。その結果、トリパノゾーマの祖先と緑藻が二次共生したものの子孫はミドリムシとなった。また、ビコソエカ類と二次共生したものの子孫は珪藻と褐藻となった。単細胞紅藻が繊毛虫に二次共生したものは渦繊毛藻となった。

イ新122 21世紀より約10億年前、単細胞であった原生生物の一部が多細胞生物化をはじめ、単細胞緑藻から多細胞緑藻(アオサなど)と車軸藻類が誕生した。また、カビの仲間からはキノコなどの担子菌類が誕生した。襟鞭毛虫という単細胞生物からも多細胞生物が誕生した。