個人的偏見の世界史

個人的に世界の歴史をまとめる試みです。

サピエンス登場

・21世紀より約16万年前 ヨーロッパにはネアンデルタール人が、インドネシアにはジャワ原人の子孫が暮らしていたころ、アフリカではホモ・サピエンスが進化していた。

※このことは、1997年にエチオピアで発見された、21世紀より約16万年前を生きたホモ・サピエンスの成人男性人骨化石によって確定した(斎藤成也 監修『図解 人類の進化』)。

※サピエンスとチンパンジーの、塩基配列の違いは1.23%である(斎藤成也 監修『図解 人類の進化』)。

・21世紀から約10万年前、複数のサピエンスの集団は、当時ネアンデルタール人の住んでいたレヴァント地方に移り住んだ。しかし、地盤を築くことはできず、レヴァント地方はその後もネアンデルタール人の領域であった(ユヴァル ノア ハラリ『サピエンス全史』)。

・21世紀から約7万年前 東アフリカのサピエンスは、アラビア半島に拡大、そこからユーラシア大陸へと進出した。そこでサピエンスは再びネアンデルタール人と遭遇する(ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』)。

・21世紀から約7万年前~4万年 この間に、サピエンスは舟、ランプ、弓矢、針などを発明する。シュターデル洞窟で発見された、ライオンの頭をした人間の像も、このころのものである。(ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』)。

B2186ヨーロッパに暮らしたサピエンスの一部であるクロマニョン人は、後期石器文化を発展させた。このような文化創造は、熱帯起源のサピエンスが、寒冷地に適したネアンデルタール人に圧迫される形で醸成したものとも考えられている。

※こうした発明が可能であったという事実に関して、サピエンスの脳内の配列が変化し、それまでにない言語を用いることが可能になったという、「認知革命」の仮説がある。「認知革命」によって、サピエンスは神話や伝説などの架空の事象について考えることができるようになった。共通の神話や宗教を信じることで、その下に団結したサピエンスは、集団で柔軟に協力できるようになった。ユヴァル・ノア・ハラリはそのように考えた(ユヴァル ノア ハラリ『サピエンス全史』)。

※現代のサピエンスの脳容量は身体全体の2%ほどであり、エネルギー消費量は約20%である(山岸明彦『元素で読み解く生命史』)。

・21世紀から約45000年前 サピエンスは何10kmもの海を渡り、オーストラリア大陸に到達した。

※その後の200年間の内に、大陸の大型動物の大半と鳥類の6割が絶滅した。また、人類が大陸に足を踏み入れてから数千年の内に、ティラコレオ属(フクロライオン)、ディプロトドン(ウォンバットやコアラの近縁)などの大型動物をはじめとする、多くの生物も姿を消した。オーストラリア大陸では気候変動が少なかったこと、付近の海洋生物にほとんど影響がなかったこと、大規模な絶滅は人類到達後に起こっていることなどから、大規模な気候変動自体はあり生態系は不安定であったものの、主に人類によって絶滅に追いやられたと考えられる。こうしてオーストラリア大陸の生態系は大幅に変化する。オーストラリア大陸の大型動物は、繁殖に時間がかかるため、数を減らしやすかったものと思われる。また、焼畑農業を会得していた人類によって、人類に不便な薮や密林が焼かれたことも生態系が変化した理由だと思われる。人類によってオーストラリア大陸の木々が焼き払われるようになると、火に強いユーカリの木が繁栄するようになった。ユーカリを主食とするコアラは、大陸に広く分布するようになる(ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』)。

・21世紀より40000年前 ウランゲリ島にサピエンスが到達する。ほどなくして、その島で何千年も栄えた最後のマンモスは絶滅した(ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』)。

ハラ1その同時期、インドネシアに住んでいたサピエンスは海洋社会を発展させ、大洋を航海可能な船の建造方法と航海技術を生み出し、遠方まで漁、交易、探検を行った(ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』)。

・21世紀より約35000年前、人類は日本列島に到達した(ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』)。

・21世紀より約30000年前 台湾に到達した人々がいた(ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』)。

・21世紀より16000年前 当時シベリア北東部とアラスカ北西部は地続きであったため、人類は、狩れば大量の肉を獲得できるマンモス、マストドン、サイなどを追って、アメリカ大陸に徒歩で到達した(ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』)。

※北シベリアなどに渡った人類は、寒さに適応するために、毛皮や皮革を針で縫い合わせて衣服や履物を作った。また、新たな狩猟技術を開発し、狩りのための武器を発展させた(ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』)。

・21世紀より約15000年前 この頃には既に、サピエンスはイヌを家畜化していた。その約3000年後を生きた1人の女性は、50年ほどの生涯を終えた後に、イスラエル北部でイヌと共に埋葬された。

※そのイヌはペット、ないしは生贄であったかもしれない(ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』)。

・21世紀より約15000年前 サピエンスはマダガスカル島に到達する。そのころ、メガラダピス(ジャイアントトレムール)やリュウチョウなどは姿を消した(ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』)。

イスラエルで発見された、農耕が始まる以前の時代の、400体の人骨の内18体には、暴力を受けた痕跡が見られた。また、ドナウ川流域で見つかった59体の人骨の内24体には、鏃や槍の穂先が刺さるなり傍に落ちていたりした。虐殺であったかもしれない(ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』)。